「最先端の医療と最新の設備を備えた 

          総合医療クリニックを目指す
 」  

医療法人社団DAP理事長 
北青山Dクリニック院長 
東京大学医学部 非常勤講師           南津軽郡大鰐町出身東京在住
   

    阿保 義久さん 
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 日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなっている現代、がんはとても身近な病気になった。
しかし、早期に発見すれば快復の確立は高いが、手術や放射線治療、化学療法では効果が得られない進行がんや悪性度の高いがんに対しては、それ以上為す術がないというのも現状だ。

 そんな中、「RNA干渉療法」という新たな治療法を実践しているクリニックがある。青森県出身の医師、阿保義久さんが院長を務める「北青山Dクリニック」だ。

 「末期がんが見つかり、手術を施しても治癒できないという患者さんに対して、治療の選択肢の一つとして、がんを正常な細胞に戻すことを目指したRNA干渉療法を治療に取り入れています」。

 北青山Dクリニックを訪ねた。院内は複数の手術室、内視鏡室、エコー室や特殊レントゲン機器など最新の設備を備え、最先端治療を気軽に受診できる「パーソナル総合医療クリニック」を目指している。
名前のDがDay surgery(日帰り手術)を表すように、下肢静脈瘤の日帰り手術を国内で先駆けて着手、国内屈指の症例数を誇り、患者の満足度は非常に高いという。ここ数年は、椎間板ヘルニアも日帰り手術で行っている。

 クリニックには各分野のスペシャリストが揃い、がん、心臓病、脳卒中など主要疾患の早期発見、予防を目的に人間ドックのコースもさまざま用意されている。がんの早期発見、新たな治療法に熱い思いを抱く阿保さんには、末期の肺がんを患った父を救えなかったという無念がある。

 阿保さんの経歴はドラマチックだ。弘前高校から早大理工学部に入学。3年在学中に医者を志し、翌年には東大医学部に入学したという秀才だ。といっても子供のころから勉強一筋だったわけではない。小、中学校時代はバスケット部キャプテンとして県内無敵のチームを率い、高校時代は国体の選手に選抜されたこともあるスポーツマン。

 早大時代は親元からの仕送りを断り、アルバイトで塾の講師をして生活費を稼いだ。医学部を志す生徒に勉強を教えてきたことが、自身の医学部受験に役立ったのだから面白い。「上京してから、ふるさとの友人たちの優秀さに気づきました。青森の人は自分の県や自分のことを過小評価し過ぎ。もっともっと自信を持っていいと思いました」。

 医学部卒業後、高度な科学的知識とスキル、豊かな感性と人間性が求められる外科医の道を選んだ。東大医学部附属病院第一外科の研修医としてスタートを切り、虎ノ門病院で麻酔科医、三楽病院で消化器外科、血管外科医を経験。再び東大医学部腫瘍外科、血管外科に勤務したが、父親の死をきっかけに、12年前、自らが思い描く理想の医療を実現するクリニックを開業した。

 予防と早期発見が何より大切と考える阿保さんは、故郷青森が他県と比べ短命県であることに思いを寄せ、「帰郷した際、機会があれば、講演などを通して早期発見、予防医学の重要性を伝えたい」と話す。
東大医学部に残り、大学での教育者としての道を薦められたこともあったが、自分の意志で自由に最新の医療に取り組める開業医としての道を選択した阿保さんに悔いはない。豊富な手術経験に加え、医学と患者への思い、チャレンジ精神を基盤に、新たな治療の道を切り開いてくれるに違いない。

                                             (文責・清水典子)




 

 


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